TCFDへの対応

当社グループは気候変動に伴うリスク(脅威と機会)への対応を重要な経営課題と捉え、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言を踏まえたシナリオ分析を行うとともに、今後も引き続き同提言の枠組みに沿った情報開示の一層の充実を図ってまいります。

ガバナンス

  • 気候変動に関わる基本方針や重要事項、リスク(脅威と機会)などについては、経営企画部管掌役員を議長とする「サステナビリティ推進会議」ならびに社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」で討議・検討・評価します。
  • 「サステナビリティ委員会」で協議された内容は、取締役会に年1回報告し、取締役会が管理・監督を行います。
  • 取締役会で報告された内容は、各部門に展開され、それぞれの経営計画・事業運営に反映します。

戦略

中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を捉え、関連リスクを踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、当社はIEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃シナリオおよび4℃シナリオ)を参照して、2040年までの長期的な当社への影響を考察し、メンテナンス事業とエンジニアリング事業を対象にシナリオ分析を実施しました。

  • ※ 2℃シナリオ(移行):気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ
    4℃シナリオ(物理):気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ

気候変動に関する主なリスクおよび対応

要因 変化 リスク 影響の
評価
当社への影響 当社対策
2℃シナリオ(移行)・・・気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ
GHG排出規制を含む各種規制の強化 石油精製・石油化学分野のプラント建設・補修需要の減少 脅威 メンテナンスおよびエンジニアリング分野での当社売上高は減少する リソースの再配分やその他分野(一般化学、再生可能エネルギー等)への注力により、既存事業構造の最適化を図る
再生可能エネルギー関連施設の新設・メンテナンスニーズの増加 機会 再生可能エネルギーおよび新エネルギー(水素関連、他)での当社売上高は増加する 関連技術の強化やプロジェクト推進体制の整備を図る
4℃シナリオ(物理)・・・気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ
年平均気温の上昇 熱ストレスによる建設現場での生産性低下 脅威 熱中症発症リスクが高まり、当社建設現場での生産性損失が発生する 当社「熱中症対策ガイドライン」に則り熱中症対策を継続強化する
さらなる効果的な環境改善への取り組みを充実させる
激甚災害発生頻度の上昇 プラント損傷時の早期復旧ニーズの高まり 機会 激甚災害によるプラント損傷時の早期復旧工事が増加する 全国的な調達網、動員網を生かし緊急時対応体制のさらなる強化を行う
プラント損傷増加による対策ニーズの高まり 機会 激甚災害に備えたプラント被害対策工事が増加する 工場に常駐し、定常的な点検・補修を行いつつ、顧客への協力体制を強化することで、激甚災害に備えた対策工事の受注維持・拡大に取り組む

リスク管理

  • 気候変動リスクの優先順位付けとして、リスクの自社への発生可能性と影響度の大きさを勘案しながら、重点リスク要因に注力して取り組みます。
  • 気候変動リスクの管理プロセスとして、「サステナビリティ委員会」を通じて、気候変動リスクに関する分析、対策の立案と推進、進捗管理等を実践していきます。
  • 「サステナビリティ委員会」で分析・検討された内容は、経営会議に報告後、取締役会に報告し、全社で統合したリスク管理を行います。

指標と目標

  • 気候変動リスクが経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の総排出量を指標とします。従来からの取り組みに加えて、再生可能エネルギーや新エネルギー関連技術の導入、脱炭素の資材や機材の使用等で、脱炭素社会への貢献に向けて取り組んでいきます。
  • 対象範囲をレイズネクスト株式会社および連結子会社とし、当社グループは自社の事業活動に関わるScope1とScope2の排出量について、2030年度までに2021年度比で30%の削減を目指します。

温室効果ガス排出量の削減目標

温室効果ガス(GHG)の削減目標と実績

(単位:t-CO2

対象Scope 基準年排出量 目標年排出量
2021年度 2030年度
Scope1+2 7,492 5,244
(Scope1) 4,118 -
(Scope2) 3,374 -
削減目標グラフ(Scope1+2)