現場における日々の創意工夫や改善提案は技術開発の原点といえます。
当社では「試験研究制度」「改善提案制度」の2制度を運用しています。作業の効率化などに寄与する技術開発や取り組みについて、現場の従業員や協力会社からアイデアを募るとともに、実現に向けた研究開発などを支援しています。
試験研究制度
最新技術を実際の現場に導入する際は、事例調査や技術試験など、さまざまな準備が必要となります。当社では「試験研究制度」のもと、長期ビジョンや中期経営計画の達成に向けた課題解決に向けて、各部門が複数年にわたる計画を立て、研究開発や技術導入を進めています。成果は部門を超えて共有し、グループ全体のサービス品質の向上につなげています。
取り組み事例
効率的で安全な工法の導入
国内外のすぐれた工法を探索し、工期短縮や負荷軽減、安全性向上に寄与するライセンス導入などを推進。効率化や人的負荷の軽減を図っています。
関連情報
DXによるサービスのスマート化
当社ではICTをはじめとする先進技術の積極的な活用にも取り組んでいます。
メンテナンス業務の効率化のため、ICTを活用した工程進捗管理や工事情報のマップ化などのシステムを開発してきました。さらなるスマート化の実現に向けて、引き続き技術導入を進めています。
関連情報
現場作業の機械化
熟練した作業者に支えられてきた作業を機械に置き換えることによって、「人」に頼らず作業品質を確保するほか、安全性向上や効率化を図っています。
関連情報
改善提案制度
現場で作業に携わる従業員からは、日々、さまざまな改善アイデアが生まれます。当社では「改善提案制度」として、現場発のアイデアを集約・評価し、その実現に向けた費用支援などを行っています。改善アイデアはグループ各社に加え、協力会社の従業員からも募集しています。効果的な事例は適宜、他の現場にも導入し、全体の改善に役立てています。
取り組み事例
フランジ締結スキル判定ソフトの難点を補強する独自プログラムを開発
多くの場合、フランジ締結教育では、フランジ締付過程のボルト軸力を計測し、スキル判定が可能な市販の教材(フランジ締結シミュレータ)を用います。しかし、このスキル判定はメーカー独自の締付手順に基づいており、JISに規定された締付手順等で行うと不合格と判定される場合がありました。
こうした判定による混乱を避けるため、当社では、締付履歴を表示でき、JIS規定に基づく締付手順の判定も可能なエクセルVBAによるプログラムを考案しました。また、締付手順が正しいかを判定するにはボルトの締結順も確認する必要がありますが、ボルト軸力は締結中のボルトだけでなく、その周囲のボルトでも変化が生じるために、締結中のボルトを判断することが困難でした。しかし、当プログラムにより、締付中のボルトを検出し、締結の順番と締付力の大きさを判定する事が可能となりました。
このプログラムはフランジ締結作業の重要性と締結のポイントの教習において有益なツールであるとの考えから、同様の教材を開発しているメーカーにソースコードを含めて提供し、技術支援を行っています。また、2023年には特許も取得しました。
特許 第7295197号
専用カバーで機器メンテナンス時の養生を簡便に
圧力機器などのマンホールノズル向けに、防雨性の高い養生カバーを開発しました。
マンホールノズルの養生では、従来は防炎シートをテープで固定するなどの方法を採用することがほとんどでしたが、都度シートの切り出しなどの手間がかかるほか、使用後のシートやテープは使い捨てとなります。専用カバーの開発により、作業を簡略化でき、廃棄物も減少しました。作業後のチェック効率化にもつながっています。
このほかにも、さまざまな改善提案が現場から生まれ、形となっています。
- 3D-CADを用いた施工計画検討
- 熱交チューブJET洗浄作業における半自動洗浄機の導入
- ハンドスキャナーによるフランジ歪測定
- 保温配管保護治具の製作
- 安全・品質に関するルールブックの作成 など