有機溶剤ガス回収装置

レイズネクストの有機溶剤ガス回収装置「VOC-VRU」は、PSA法による吸着方式を採用し、不燃性の疎水性吸着剤と特殊構造の槽などにより、揮発性有機物(VOC)の回収を可能にします。幅広い有機溶剤に対応し、低コストで"ゼロエミッション"を実現します。

特長

付帯設備が不要

PSA法による吸着方式を採用。従来の活性炭吸着法に比べ、脱着時の熱源としてのスチームが不要なため、ボイラーや排水処理装置などの付帯設備が不要となります。

高性能・高回収率

濃度数%のVOCを短時間で吸着。
回収方式および吸着剤は処理するVOCの性状により経済性を考慮して、最適な設計を行います。

高い安全性

不燃性で触媒作用のない疎水性シリカゲル、ゼオライトなどを吸着剤として使用しており、脱着時に熱源を使用しないため安全です。

常圧下で吸着

VOCを常温/常圧下で吸着し、減圧下で再生するので、高圧ガスの適用を受けず、また回収液の品質劣化がありません。

広い適用範囲

吸着剤の選択により、ベンゼン、トリクロロエチレンをはじめとする、 あらゆる有害大気汚染物質の回収に適用が可能です。

容易な操作性

簡単な操作で、必要な時に運転することができます。

シンプルな設備

主な用役として、電気を使用します。また、必要に応じて冷却用水を使用します。設備は、ユニットで構成されます。

装置・システムの概要

油槽所、タンク設備、製造設備などにおいて、工程から発生するガス中の有機溶剤成分(VOC)を吸着除去し、クリーンガスとして大気放出する装置です。吸着したVOCは、真空ポンプで減圧することで脱着し(PSA:Pressure Swing Adsorption方式)、冷却器で液化回収します。液化されない未凝縮ガスは、吸着塔の入口に戻して再吸着させ、外部へVOCを放出させません。

用途例

  • 油槽所等のローリー出荷設備からのVOCガス回収
  • タンクへの揮発性燃料や化成品の受け入れ、払い出し時に発生するVOCガス回収
  • 製造設備等から排出される高濃度VOCガスの拡散防止装置としての適用
適用可能ガス
炭化水素類 ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
有機塩化物 クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど
アルコール メタノール、エタノール、プロパノールなど
その他 アセトン、MEKなどのケトン類、酢酸エステル、アクリロニトリルなど

工程フロー

吸着塔1:VOCガスの中から選択的にVOCを吸着し、クリーンになった気体を大気放出します。
吸着塔2:真空ポンプによって減圧下でVOCを脱着します。

※ 吸着塔1と吸着塔2の操作は一定時間で自動的に切り替わります。

実績

以下のような納入実績があります。

設置地区 処理量 入口濃度 出口濃度 対象ガス 備考
1999年  北陸地区 500m3/h 25vol% 2,000ppm以下 ガソリン 排ガス規制/液回収
2000年  関東地区 1,000m3/h 25vol% 2,000ppm以下 ベンゼン、ブタジエン、窒素 排ガス規制/液回収/窒素回収
2000年  北陸地区 210m3/h 6vol% 100ppm以下 スチレンモノマー、トルエン、キシレン 排ガス規制/液回収
2000年  関東地区 200m3/h 6vol% 100ppm以下 アセトン、酢酸エチル 排ガス規制/液回収
2001年  関東地区 670m3/h 6vol% 100ppm以下 ヘキサン、エチレン、プロピレン、窒素 排ガス規制/液回収/窒素回収
2002年  関東地区 40m3/h 30vol% 5ppm以下 塩化メチレン、メタノール 排ガス規制/液回収
2003年  関東地区 500m3/h 25vol% 1,000ppm以下 メタノール、酢酸エチル 排ガス規制/液回収
2005年  九州地区 12m3/h 18vol% 6ppm以下 塩化メチレン、メタノール 排ガス規制/液回収
2005年  関東地区 280m3/h 15vol% 100ppm以下 HCガス 排ガス規制/液回収
2006年  九州地区 12m3/h 29vol% 1ppm以下 塩化メチレン、メタノール 排ガス規制/液回収
2007年  九州地区 12m3/h 25vol% 1ppm以下  塩化メチレン、メタノール 排ガス規制/液回収
2007年  関東地区 540m3/h 4vol% 100ppm以下 ヘキセン、窒素 排ガス規制/液回収/窒素回収
2007年  東北地区 3,000m3/h 25vol% 6,000ppm以下 ガソリン 排ガス規制/液回収
2007年  関東地区 350m3/h 3vol% 100ppm以下 ヘキセン 排ガス規制/液回収
2016年  東北地区 240m3/h 27vol% 60ppm以下 塩化メチレン、トルエン 排ガス規制/液回収

よくあるご質問

処理ガス濃度5,000ppmですが対応可能でしょうか?
当社の装置は、高濃度領域の処理が得意です。ppmオーダーの場合はおすすめしておりませんが、対応は可能ですので一度ご相談ください。
50,000m3/hの処理ガス量ですが対応可能でしょうか?
可能ですが、経済設計にならない可能性があります。

1ユニットの基本処理量は、600m3/h程度で、これを超える場合は複数ユニットを並べることになります。このほか処理量についてのご相談は、引き合い依頼書に記載いただけましたら、詳細検討後に回答いたします。

注意事項(お問い合わせにあたって)

プラントの仕様や使用する燃料などにより、導入の可否やシステムの仕様が異なるため、お問い合わせの際は下記から引合書をダウンロードいただき、必要事項をご記入のうえ、メールあるいはFAXにて送信ください。
(メール・FAXの送信先は引合書に記載しています)

資料ダウンロード

FAXでのお問い合わせに用いる引き合い依頼書は、こちらからダウンロードください。